2011年1月23日日曜日

オムの不作とタオライン廃盤について


コムデオムの不作とタオライン廃盤という問い合わせに関し、自分なりに少し考えてみました。
日本では1965年生れの現在46歳あたりの年齢層は、人口的には2番目くらいに多いはずです。1番多い年代は、1976年生まれの現在35歳あたりの世代ではないでしょうか。
これ以外の年代層は、先にあげた年代より人口が少なくなります。
これにもとづきざっと計算してみます。

1965年生まれの人だと現在46歳になります。この年齢層はアパレルの黄金期1985年を経験しています。当時20歳。この現在46歳(1965年生)以後の現在35歳(1976年生)までを人口ボーナス期と言います。人口ボーナス期とは、各年齢層の人口が年を増すごとに少しづつ増加していくということです。2番目に人口が多い1965年生まれからそれ以後10年間、1番人口が多い1976年生まれまでの期間、人口は少しずつ増加していきました。昨今の少子高齢化の、高齢者だけが増えていく流れと合致します。

以上勘案して考えてみるとコムデオムが、35~46歳あたりをターゲットにしていると考えた場合、数字的にはこの年齢層をコムデオムが囲っていることとなります。よってコムデ社では一番の稼ぎ頭になってもよいラインのはずなのです。なぜなら1965~1976年生まれの人口はこれ以外の年代に比べて、人口密度が高いからです。
1965+46=2011 1976+35=2011

最近ではタオラインが撤退するとの発表があったそうです。
理由を同じように考えてみます。
タオは対象年齢層を1980~90年生まれ、現在の21~31歳を対象ターゲットにしていると推定して考察してみます。この年代生まれは年を増すごとに少しずつ人口が減少していきます。したがって最近話題の少子高齢化と呼ばれている、子供の数が減っている現象と合致します。

タオラインのように若い消費者層を狙った場合、日本での人口ボーナス期を1度も経験する事がなく、ブランド立ち上げ時からして他のラインに比べると相当なハンデキャップを負っていたはずです。だからタオの責任で廃盤になったのではなく、人口的要因での杯盤と考えるべきでしょう。数字上も現在のオムが仮に売れていると仮定して考えてもタオを存続させる意味は、日本では計算上ありえませんし、タオ撤退は定石だと考えるべきだと思います。

巨大掲示板2ちゃんねるなどでは、コムデオムはいらないとか言われますが、本当にそうなのでしょうか?以上の理由から考えると、オムが全ラインを支えるべき役目を担っているとも言えるでしょう。
オム不要論にはいま少し考察が必要でしょう。
よってオムは囲っている顧客層の年齢からも、もっとも有利なラインと言えるでしょう。


最後にみなさんが神格化している川久保経営者に関してですが、彼女が活躍した年代は1985年代であり、それ以後1995年までの10年間は人口ボーナス期を経験しています。したがってタオラインと比べれば川久保経営者自身のラインは、外部要因が相当に有利に働いていた考えるべきです。少しの学脳があれば、だれでも経営は成功していたという時期だと思います。
今はそうはいきません、もうお分かりだと思いますが、1965~1976年生に20をプラスしてみてください。答えは1985~1996となります。1965~1976年生以外の人口が減少している現在では、例えるなら減少している若年層のパイをプレイヤーが奪い合っているということになるのです。コムデ社のタオラインは若年層にポートフォリオを広げすぎていた為の苦戦なのでした。

人口動態に関しては詳しくは総務省に、世界の人口に関しては国連などへ問い合わせてみるとよいと思います。デザイナー志望の方や、いつまでも経営者の庇護の下で仕事をしたくないとお考えのみなさんの助けになればと願っています。



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